小林光一名誉棋聖、棋聖8連覇を懸けた一局で打った「不思議な一手」

小林光一名誉棋聖、棋聖8連覇を懸けた一局で打った「不思議な一手」

撮影・小松士郎

小林光一名誉棋聖、棋聖8連覇を懸けた一局で打った「不思議な一手」

小林光一名誉棋聖、棋聖8連覇を懸けた一局で打った「不思議な一手」の画像

「毎年、必死に一生懸命やってきたことが積み重って」と振り返る小林光一名誉三冠(棋聖・名人・碁聖)。中でも印象深いのが棋聖8連覇を懸けたシリーズとのこと。今回は、その中から「一手」を選んでいただきました。




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\r\n■棋聖8連覇を懸けた一局\r\n


加藤正夫九段との第17期棋聖戦の第7局から、「一手」を選びました。加藤さんは、棋聖を獲得すればグランドスラム達成でした。私が8期棋聖位だった間に、加藤さんとは七番勝負を3回も対戦したのですが、加藤さんの気迫には、すさまじいものがありましたね。



私は5連覇までは4勝1敗で防衛することが多かったのですが、6期目から急に苦しくなって、この8期目のシリーズも、1勝3敗と序盤から角番に追い込まれました。4局目の負け方がつらくてね…整地するまで半目勝ちだと思っていたんです。計算を間違えるなんて、自分にとっては本当にびっくりするようなことで「このシリーズは、これで駄目にしたかな」という気持ちになりました。



それから何とか2番返して、この局を迎えたわけです。



私が旭川から出てきて12歳で木谷實先生の内弟子に入ったときは、兄弟子の加藤さんは、九段陣をバタバタ負かす強い二段でした。ふだんは温厚で、面倒見がよくて、皆から慕われていましたが、ひとたび碁盤の前に座ると、まあ強くてね(笑)。私も何局も負かされて、鍛えていただきました。

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