文壇におけるオースティンの評価




これで少なくとも三度目になるが、私はミス・オースティンのすばらしい小説『高慢と偏見』を再読した。この若い女性には、平凡な生活における人間関係や感情、性格を描く才能があり、それは私がこれまでに出会ったことのあるなかで、最高のものだった。大袈裟な書き方なら、最近の流行と同様に私にもできるが、平凡なありふれた出来事や人物を、真に迫った描写や感情表現によって面白く書く絶妙の筆致は、私にはとても及びそうもない。これほどの才能の持ち主が、こんなに早く亡くなってしまったとは、なんと残念なことか!


スケールの大きな歴史小説を数多く書いたスコットは、自身とはまったくタイプの異なる女性作家オースティンの、狭い緻密(ちみつ)な小説世界の真価を認め、最大の敬意を払ったのです。



■『NHK100分de名著 ジェイン・オースティン 高慢と偏見』より

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