38年連続出場の谷川浩司九段、初心に帰るべく

38年連続出場の谷川浩司九段、初心に帰るべく

左/谷川浩司九段、右/阿部健治郎七段 撮影:河井邦彦

38年連続出場の谷川浩司九段、初心に帰るべく

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第67回 NHK杯戦 1回戦 第11局では、38回連続出場の谷川浩司(たにがわ・こうじ)九段が、28歳の阿部健治郎(あべ・けんじろう)七段を迎え撃った。上地隆蔵さんの観戦記から、序盤の展開を紹介する。



※本文中の肩書は放送時のものです。


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\r\n■敬服\r\n


谷川は38回連続のNHK杯戦出場で、一度も予選を経験したことがないという。38年といえば、気の遠くなる年月。早熟の天才として一流に上り詰め、それを長期で継続している谷川には敬服する。今年1月、三浦弘行九段の一件で約5年間務めた会長職を辞した。「心身ともに不調をきたすようになった」と語る谷川の顔は青ざめ、やつれていた。光速流の活躍を望むファンは、まだまだ多い。全国に届くNHK杯戦は健在ぶりをアピールする格好の場であり、谷川は朝から意欲を見せた。


\r\n■前例にない手\r\n


阿部は攻める気マンマンで△3三桂(2図)と跳ねた。▲2六飛は△4四角、▲2八飛は△5五角の筋が残る。そこで谷川は▲2七飛と、あえて不安定な位置に引いた。阿部は「前例にない手」と話す。





△4四角は次に△2六歩▲2八飛△7七角成▲同金△2七銀の強襲を狙っている。▲3七角はその筋を消しつつ、△7五銀を牽制(けんせい)した手だ。対して△4五桂がひと目の攻め。しかし▲1五角(王手)の切り返しがあってうまくいかない。

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