羽生善治竜王vs.菅井竜也七段、戦型は角換わり

二上九段はタイトル獲得5期の実績があり、大山康晴十五世名人の牙城を崩すのではと期待された昭和の名棋士だ。



特に注目すべきは、26回ものタイトル戦登場回数だろう。現役でこれを超えるのは羽生の136回、谷川浩司九段の57回、佐藤康光九段の37回、渡辺明棋王の28回。この4人しかいない。



解説を務める森内俊之九段は25回。引退した加藤九段が24回だったから、レジェンド級の活躍だったことがうかがえる。



菅井はタイトルを獲得した2人目の「たつや」である。2017年の王位戦で、得意の振り飛車を駆使して羽生を破り見事に戴冠(たいかん)。昨夏の防衛戦では豊島将之棋聖に敗れたが、フルセットの激闘は再浮上を期待させた。



その菅井が本局では飛車を振らなかった。理由を聞くと「序盤の駆け引き」なのだと言う。△3二金(2図)は振り飛車と居飛車を両にらみにした手で、振り飛車のイメージが強い菅井が指すと「おっ」となる。





▲4六歩は「実戦例が少なく、めずらしい手。△4四歩〜△5四歩〜△5三銀からの四間飛車も考えましたが、角換わりも想定していたのでこちらを選んでみました」と菅井。羽生はこのところ先後の別なく角換わり腰掛け銀を指しており、研究も経験も十二分。菅井にとっては、もっとも吸収すべきものを持つ最高の相手といえるだろう。



※投了までの棋譜と観戦記はテキストに掲載しています。

※肩書は番組放送当時のものです。



■『NHK将棋講座』2019年3月号より

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