一力遼八段、因縁の井山雄太四冠を破りNHK杯初優勝

一力遼八段、因縁の井山雄太四冠を破りNHK杯初優勝

撮影/小松士郎

第66回 NHK杯テレビ囲碁トーナメントは一力遼(いちりき・りょう)八段が初優勝を果たした。永代和盛さんが決勝戦を総括する。




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\r\n■自分らしい手を打てた\r\n


一力の念願がかなった。一力はこれまで決勝へ2回進出して、いずれも準優勝。今回が3回目の決勝進出となる。そして、今回の相手は井山であり、大敵を目の前に不足はなかっただろう。2回目に決勝進出した際も、相手は井山だった。そのときの一力は井山にNHK杯初優勝をプレゼントしている。その悔しい敗戦を忘れてはいないだろう。心の中では強い気持ちでリベンジを誓っていたに違いない。



「自分らしい手を打って勝つ」と。目を閉じて、深い深呼吸をしていたのが印象的だった。


\r\n■流れを引き寄せられなかった\r\n


無念の井山。決勝では「大事な場面で流れを引き寄せられなかった。結果も内容も満足できるものではない」と語る。それでも「3年連続で決勝の舞台に立てたことは上出来」と付け加えたとおり、ミスが出やすい早碁棋戦での、3年連続決勝進出は目を見張るものがある。来期で世代交代の流れはくるのか。若手が先輩を破り続けないかぎりは、本当の意味での世代交代とは言えない。今はその中間地点にいると言っていいだろう。井山と若手にとっても正念場である、来期の行方に注目だ。



■『NHK囲碁講座』2019年5月号より

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