ベテランvs.初出場 40歳差の激闘

ベテランvs.初出場 40歳差の激闘

左/苑田勇一九段 、右/富士田明彦七段 撮影:小松士郎

第67回 NHK杯 1回戦 第5局は、大ベテランの苑田勇一(そのだ・ゆういち)九段と、初出場の富士田明彦(ふじた・あきひこ)七段の対局となった。松浦孝仁さんの観戦記から、序盤の展開を紹介する。




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\r\n■大ベテランと初出場の対決\r\n


頭の中で以下の場面を想像してほしい。



「星の黒に白は小ゲイマガカリ。黒、一間に受けて、白は隅に向かって二線へのスベリ。黒は三々に受けて、白は辺へ二間ビラキ」



AIが全く打たないことで人気がちょう落した定石だ。絶滅したとの声もある。



また聞きで申し訳ないのだが、苑田勇一九段は猫もしゃくしもこの有名定石を用いていた中で、「いずれ打たれなくなるでしょう」と予言していたという。AIと同様の見解によるものかは定かではないが、見事的中だ。西の宇宙流と呼ばれ、東の宇宙流、武宮正樹九段とは一味違う中央感覚のように私は思う。



この碁の見どころは、序盤早々に現れる苑田の趣向だ。特に模様や厚みを求めたのではなく、厳しく相手をたたくことを目的とした、かなり思い切った手法に見える。

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