よみがえる、伝説の一戦? 趙 治勲名誉名人vs.藤沢里菜女流本因坊

よみがえる、伝説の一戦? 趙 治勲名誉名人vs.藤沢里菜女流本因坊

左/趙 治勲名誉名人、右/藤沢里菜女流本因坊 撮影:小松士郎

第67回NHK杯1回戦 第13局は趙 治勲(ちょう・ちくん)名誉名人(黒)と藤沢里菜(ふじさわ・りな)女流本因坊(白)の対局となった。松浦孝仁さんの観戦記から、序盤の展開をお伝えする。




* * *




趙対藤沢。この組み合わせの響きに、熱さと懐かしさを感じるファンは少なくないと思う。若いファンは、「藤沢」とくれば「里菜」を当然連想する。しかし、私のような50代以上の碁好きは、同時に「秀行」という歴史に名を刻んだ棋士の名も浮かんでくる。



令和の前の前。昭和58年のことだ。棋聖6連覇中の藤沢秀行に挑戦したのが当時の名人・本因坊、趙治勲だ。秀行3連勝のあと趙が4連勝。劇的な展開を経て、史上初の大三冠(三大タイトルの独占)棋士が誕生した。



このころ、もちろん藤沢里菜女流本因坊はこの世に影も形もない。秀行おじいちゃんの記憶で印象的なのは9歳のときのことだ。



「初めて秀行合宿(国籍、老若男女を問わず、来るもの拒まず去る者追わずの精神のもとに行われた研究会)に参加しました。怖いと聞いていたのでびくびくしていたのですが、まだ弱かった私をとてもかわいがってくれました。

1 2 3 次へ

関連記事(外部サイト)