失われゆく山形の在来作物 地域の食文化を守るための人々の取り組み

失われゆく山形の在来作物 地域の食文化を守るための人々の取り組み

鶴岡市内の保育園で、園児が育てた波渡(はと)なす。保育園が維持・継承に取り組んでいる。撮影:大泉省吾

取材した2019年9月時点で、179種類の在来作物が残る山形県。失われゆく在来作物を、どのように未来につなぐか。そこには、地域の食文化を守ろうとする人々の、さまざまな取り組みがありました。




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\r\n■山形の「在来作物」とは、自家採種で世代を超えて栽培されている作物\r\n


山形在来作物研究会の会長として、在来作物(在来種と同義)の研究・保存に尽力している山形大学の江頭宏昌(えがしら・ひろあき)さん。山形県に多くの在来作物が現存する理由をお聞きしました。



「自家採種しながら世代を超えて栽培され、その地域に根づいた作物を、山形在来作物研究会では『在来作物』としています。在来野菜は在来作物に含まれます。地域にとってかけがえのない作物を広くとらえてもらうことが目的で、定義をシンプルにすることで対象品目を増やせるので、数は多くなるんです。いわば多様性を守るための定義です」



もう一つは地理的・気候風土的な要素。



「例えば県内で最も多く在来作物が残っているのは、日本海に面した庄内(しょうない)地方。ところが、同じ庄内でもコメどころの酒田には少なく、中山間地の多い鶴岡にはたくさん残っています。

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