飲食から見える人生を歌に詠む

飲食から見える人生を歌に詠む

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誰と、どこで、どんなものを食べたり飲んだりしたのか??飲食の風景は、その時代の文化や価値観を象徴するものだと「塔」選者の栗木京子(くりき・きょうこ)さんは言います。今年度の「短歌de胸キュン」のテーマは「飲食の風景」です。




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呼吸や睡眠と同じく、飲食は生きるために欠かせない行為です。物理的に重要というばかりでなく、食べたり飲んだりすることは精神的にも大きな意味をもちます。それゆえ短歌の題材になりやすく、飲食をめぐる多くの短歌が詠まれています。それらの作品を、一年を通して鑑賞してゆきましょう。



私の記憶の中の最も旧(ふる)い食事風景は、畳の上に卓袱台が置かれて家族が円い台を囲んでいる場面。食事が終わると卓袱台や座布団は片付けられました。昭和三十年代の食卓です。七歳のときに引越しをして、その後は「テーブルに椅子」の食事になりましたが、今でも卓袱台にはなつかしさを覚えます。


寂しくてひとり笑えば卓袱台(ちゃぶだい)の上の茶碗が笑い出したり
?山崎方代(やまざき・ほうだい)『こおろぎ』





卓袱台には急須や湯?のみ茶碗がよく似合います。

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