90歳のあじさい物語

90歳のあじさい物語

すべてはこの道から始まった。墓へと続く坂道。撮影:田中雅也

50年かけて、山いっぱいにアジサイを植えた南澤忠一さん。斜面に力強くのびのびと咲くアジサイたちは、たった一人であじさい山をつくり上げた忠一さんの人生の歩みそのものです。




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\r\n■少しずつ広がったあじさい山\r\n


忠一さんがアジサイを植え始めたのは、1970年代のことでした。山の中腹にある先祖のお墓へつながる山道を、花で彩りたいと思ったのが始まりです。



「お盆の時期に咲いてくれて、山道の環境と景色に調和する花を考えたら、自然とアジサイを選びました」



初めはお墓までの道に植えるだけ、と思っていたところ、山道に見事に咲くアジサイを見にくる人が少しずつふえて、ちょっとしたアジサイの名所に。せっかく見にきてくれるならもっと喜んでもらいたいと、お墓の先にある山の斜面にも、アジサイを植えることにしました。



「誰に頼まれるでもなく、一人きりで山に入って、木を切って、アジサイを植えていました。

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