深浦康市九段vs.稲葉陽八段、初優勝をかけた決勝戦

深浦康市九段vs.稲葉陽八段、初優勝をかけた決勝戦

左/深浦康市九段、右/稲葉陽八段 撮影:河井邦彦

第69回NHK杯もついに決勝戦の日を迎えた。深浦康市(ふかうら・こういち)九段と稲葉陽(いなば・あきら)八段の熱戦を綴った後藤元気さんの観戦記から、序盤の展開を紹介する。


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\r\n■矢倉の今昔\r\n


第69回のNHK杯戦も、いよいよ最後の一局を迎えた。どちらが勝っても本棋戦初優勝だ。



事前に行われた振り駒は、深浦の振り歩先で歩が3枚。深浦の先手番が決まった。



両者とも戦前に「積極的に指したい」と抱負を述べており、稲葉は少し気落ちした様子だった。ふだんなら先後で心を揺らしたりしないが、決勝戦という舞台はやはり特別なのだろう。強い意気込みに折り合いをつけるのも勝負のうちなのだ。



戦型は矢倉戦へ。角換わりと相掛かりが猛威を振るった2019年が終わり、最近は矢倉が増えた。とは言っても、昔ながらのがっぷり四つに組み合う展開ではなく、囲いもそこそこに激しく戦う乱戦矢倉である。

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