巻き込まれ男子・在原業平が能動的に恋した運命の女性

巻き込まれ男子・在原業平が能動的に恋した運命の女性

巻き込まれ男子・在原業平が能動的に恋した運命の女性の画像

実は受け身で巻き込まれ型の恋愛が多かった在原業平。息子に頼まれてその母親である老女と一夜を共にしたり、父親に頼まれて娘と結婚に至ったりと、情の深い人柄が見て取れます。作家の高樹のぶ子さん(※)は、そんな業平にも能動的な恋が二つあったと言います。そのうちの一つ、藤原高子との恋を解説していただきました。



※高樹さんの「高」の字は、正しくは「はしごだか」です。




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藤原高子(たかいこ)は藤原長良(ながら)の娘で、のちに清和(せいわ)天皇の后となって二条后(にじょうのきさき)と呼ばれ、陽成(ようぜい)天皇を産んで国母(こくも)となった女性です。その高子は、入内(じゅだい)する前、業平と恋人関係にあったのだと『伊勢物語』は伝えます。



第四段を読んでみます。昔、五条の御邸の西の対(たい)に住む人がいました。高子姫です。その人のことを、あるまじきこととは思いながら深く愛してしまった男(業平)がよく訪れていたのですが、あるとき高子は他所(よそ)に移され、居所が解らなくなってしまいました。そして正月十日ばかりの頃、高子がいよいよ内裏に入ったという知らせが業平の耳に入ります。居所が解ったのは嬉しいのですが、そこは業平が手を伸ばすには遠すぎる。

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