なぜ今こそ『資本論』が必要なのか

なぜ今こそ『資本論』が必要なのか

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2021年1月の『100分de名著』では、ドイツの経済思想家、カール・マルクス(1818〜1883年)の主著『資本論』を読み解いていきます。マルクス主義を謳(うた)ったソ連が崩壊して以降、「新自由主義」という名の市場原理主義が世界を席巻し、世界全体のあり方を資本主義が大きく変えていきました。経済思想家、大阪市立大学准教授の斎藤幸平(さいとう・こうへい)さんは、今だからこそ、『資本論』が再び必要だと説きます。




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世界中に豊かさをもたらすことを約束していたはずの資本主義。ところが、「人新世(ひとしんせい)」は、むしろ社会の繁栄を脅かすような数多くの危機によって特徴づけられています。金融危機、経済の長期停滞、貧困やブラック企業。そして、新型コロナウイルスのパンデミックと気候変動の影響による異常気象が、私たちの文明的生活を脅かすようになっています。



要するに、資本主義の暴走のせいで、私たちの生活も地球環境も、めちゃくちゃになっている。なかでも深刻な問題の一つが格差の拡大です。国際開発援助NGO「オックスファム」によると、世界の富豪トップ26人の資産総額は、地球上の人口の半分、実に約39億人の資産に匹敵するそうです。

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