オーストリアは永世中立、でもロシアが好き

<ロシア外交官追放を親ロ派の極右政党が加わる連立政権は断固拒否。オーストリア独自の中立政策の思惑とは>

戦いはほかの者に任せよ、幸いなるオーストリア、なんじは結婚せよ――ハプスブルク家はこの「家訓」を守り、結婚政策によって隆盛を極めた。

第一次大戦後に共和制に移行してからのオーストリアはもちろん、政略結婚を外交政策のツールとすることをやめた。だがこの国の外交は今も多くの面で、帝政時代を継承している。ヨーロッパにおける最近の国際的危機への態度がいい例だ。

EU首脳は3月22〜23日に開催された欧州理事会で、ロシアの元情報部員セルゲイ・スクリパリとその娘が神経剤によって襲撃された事件を強く非難した。同月4日に英ソールズベリーで起きた事件の黒幕はロシアとみられている。

欧州理事会は「共通の治安を深刻に脅かされたわれわれは、無条件にイギリスと連帯する」と表明した。その後、EU加盟国18カ国を含む20以上の国がロシア外交官の国外追放を発表。ロシア側も対抗措置として、欧米各国の外交官に国外退去を命じた。

そんななか、イギリスとの連帯に留保を付けたのがEU加盟国のオーストリアだ。中道右派の国民党と極右の自由党による連立政権はこれまでのところ、ロシア外交官の追放といった措置を取ることを拒否している。

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