今年のノーベル平和賞のテーマに性暴力が選ばれた訳

<1年前に始まった #MeToo 運動が授賞の背景に――文学賞関係者のレイプ疑惑も影響した?>

ノルウェーのノーベル賞委員会は10月5日、性暴力と闘う2人の活動家に今年の平和賞を授与すると発表した。1人はイラクの少数派ヤジディ教徒で、テロ組織ISIS(自称イスラム国)による性暴力の被害者でもあるナディア・ムラド。もう1人はコンゴ(旧ザイール)で、被害女性の治療と支援に取り組む医師デニ・ムクウェゲだ。

同じ頃、アメリカでは性的暴行疑惑が持ち上がっている保守派の最高裁判事候補ブレット・キャバノーの指名承認がほぼ確実になった。

2つの出来事には直接の関係はない。だが1年前のこの日は、ニューヨーク・タイムズ紙が大物映画プロデューサーのハービー・ワインスティーンによる悪質なセクハラ行為を暴露した日だった。この報道をきっかけに、性的被害を告発する「#MeToo」運動が世界中に拡散した事実を抜きにして、今年のノーベル平和賞を語るのは難しい。

ノーベル賞委員会のベリット・レイスアンデルセン委員長は記者会見で、今回の受賞者と#MeToo の関連を認めた。「重要なのは女性の苦しみや性的虐待に目を向けること。その意味で両者には共通点がある」ムラドは3カ月にわたりISISの性奴隷にされ、母親を含む多くのヤジディ教徒の女性が殺された。

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