村上春樹が今度こそノーベル賞を取るために

<村上春樹がフランスの作家なら、フランス人は村上という天才にノーベル賞を取らせるにはどうしたらいいかを熱く議論しただろう。日本人はなぜそうしないのか? 文学への情熱を失ったのか?と、フローラン・ダバディが問う>

日本文学にとっては3度目の正直になります。川端康成と大江健三郎に次ぐ栄光、21世紀に相応しいノーベル文学賞受賞者の到来を私も待っています。最近はほとんどの先進国が受賞しているのに、日本だけは恵まれていません。日本政府はフランス政府と共同で史上最大の日本文化祭「ジャポニズム2018」をフランス・パリで開催し、ソフトパワーの極みである五輪、題して「東京2020」の招致にも成功しました。

私の子供時代(1980年代)には、日本は斬新かつコンテンポラリーな建築、映画、文学のムーブメントを誇っていました。西洋では、あらゆる日本文化の中でもこの3分野はとりわけ粋とされました。

残念ながら映画と文学は、日本でも今は不毛の時代です。『万引き家族』がカンヌ映画祭でパルム・ドールを受賞したではないか!と思われるでしょうが、現代日本の映画監督で黒澤明や小津安二郎ほど知名度がある監督はいません。文学でも、三島由紀夫以来、世界で名の通った作家はいません。強いて言えば、村上春樹だけでしょう。寂しいことに村上は、ノーベル文学賞の代わりに立ち上げられた今年限りの市民文学賞の候補を辞退しました。

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