ユーロ圏を脅かすイタリアの暴走

<欧州委員会による予算案差し戻しで強気のコンテ政権も軟化するのか、それとも欧州全体をパニックに陥れるのか>

EUの執行機関である欧州委員会は10月23日、イタリア政府が提出した19年予算案を、欧州経済を不安定化させる恐れがあるとして差し戻した。イタリアの左派「五つ星運動」と極右「同盟」(元「北部同盟」)の奇妙なポピュリスト連立政権は、これまでもEUを批判してきたが、予算案差し戻しという前代未聞の措置に、両者の対立は一気に悪化したようにみえる。

果たしてこれは、新たな世界経済危機につながるのか。フォーリン・ポリシー誌のマイケル・ハーシュ記者が、米コロンビア大学のアダム・トゥーズ教授(経済史)に話を聞いた。

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――欧州委員会によるイタリアの予算案差し戻しに驚いたか。

いいや。今年イタリアに新政権が成立して以来、欧州委員会とイタリア政府の間では非常に不快で激しい駆け引きがあった。第2与党・同盟を率いるマッテオ・サルビニ副首相は、EUの価値観全般に対する明白かつ現実的な脅威と考えられている。

欧州委員会は、イタリア政府の言動に我慢ならないと感じていたのだと思う。そしてEUにとって明らかな危険を取り除くためには、最初から厳しい態度で臨む必要があると考えたのだろう。

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