米中間の火花に隠された大人の事情

<アメリカと中国はなぜにらみ合いを続けるのか......表層的な争いからは見えない構造問題>

貿易戦争に南シナ海の領有権問題と、米中の間ではもめ事が絶えない。先日行われた米中閣僚級による外交・安全保障対話で一旦は沈静化したかに見えるが、火種はいまだ消えていない。

11月30日からアルゼンチンで開催されるG20で、トランプ米大統領と中国の習近平(シー・チンピン)国家主席による首脳会談が予定されている。これに先立って11月9日にワシントンで行われたのが米中閣僚級による対話だ。アメリカ側はポンペオ国務長官とマティス国防長官、中国側は楊潔?(ヤン・チエチー)政治局員(外交担当)と魏鳳和(ウエイ・フォンホー)国防相が、両国の関係修復を目指して一堂に会した。

こうした努力は歓迎されるべきだし、この対話で貿易戦争に伴う緊張が和らぐのでは、という期待が生まれたことは事実だ。しかし安心するのはまだ早い。ここでは、両国間に根を張るさまざまな問題、そしてそれによって増殖する「火種」について触れられることはなかった。

現在、中国国内ではアメリカの追加関税に対する怒りが増し、アメリカは中国の成長を封じ込めたいのだという批判が声高に叫ばれる。アメリカは中国政府による少数民族ウイグル人への弾圧など人権問題を批判し、中国メディアはそれを「偏見だ」と非難する。

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