南アフリカで繰り返される「土地改革」による人種対立

<ジンバブエでかつて実行された農地強制収用――生産減少と白人農主の貧困化が隣国でも?>

ジンバブエのムガベ前政権下、黒人農民への再分配という「土地改革」を掲げ、白人農場主が立ち退きを強制されてから18年余り。白人農場主は収穫の減少を回復できずにいる。昨年11月には37年続いたムガベ政権が倒され、副大統領のムナンガグワが大統領に就任した。政権が代わっても、土地の強制収用に伴う経済損失の穴埋めを政府が行うとの望みは遠のくばかりだ。

「土地改革が盛んだった頃、農場主の平均年齢は55歳前後だった。今や大半が70歳を超え、もう働けない」と、商業農場主連合のベン・ギルピン代表は南アフリカのサンデー・タイムズ紙に語った。「補償の必要性は切実だが、悲しいことに受け取ることができずに亡くなったり困窮する例が多い」

土地改革が始まった00年だけで、農場主の少なくとも4500人が立ち退かされた。退役軍人を動員した強引な収用、そして今なお続く影響を思えば、1人7200ドル相当の補償が必要との声も上がる。

オレンジ農場主のベン・フリースは09年に立ち退きを強いられた。農場経営をやめ、今は土地の権利問題を専門とする運動家となっている。その年には農場主に補償金が提示されたが、ごく少額でしかも貨幣価値の低いジンバブエ・ドルだった。

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