イギリスの貧困世帯には、健康な食も人間関係も届かない

貧困地区では、約1割近くが食料砂漠に該当したという。

この研究の重要な点は、貧困世帯が集中し、さらに食料の入手が比較的困難な地域を特定していることだ。食料砂漠では必然的に、食料入手に余計な時間やカネがかかる。

それに加え、入手した食料を手で持ち帰る必要があるから、運びやすくて本当に必要な物だけを選ぶことになる。重いジャガイモやかさばる野菜より、軽くて持ち運びやすい冷凍ピザをまとめ買い、となりがちだ。

食事はつながりも生む

飢餓や、健康な食事を取れない状態が健康に影響を与えることは明らかだが、「食料の手に入りにくさ」の影響はなかなか見えづらい。重要な点は、こうした食料砂漠地域で社会的つながりも失われていることだ。

イギリスでは今、孤独が問題化している。政府は今年1月、「孤独担当大臣」の職を新設した。孤独に陥る原因は人それぞれだが、食料を手に入れにくい状況も、社会的触れ合いの減少を助長していると考えられる。



慈善団体フードサイクルの代表メアリー・マクグラスによれば、同団体の食事配給を受ける人の71%が常時、あるいは時々孤独を感じているとの調査結果が出たという。貧しくても社会的な付き合いの場がある人々のほうが健康な生活ができ、深刻な病気からの回復率も高いことは、数々の研究で明らかになっている。

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