「こんまり」人気の深層──片づけは不眠や不安や肥満さえ癒す

今年こそ整理整頓の行き届いた生活をしよう、と多くの人が新年の誓いを立てたはずだ。ふたのないタッパーや片方だけの靴下でいっぱいの引き出しは、もう見たくない。

片づけブームを巻き起こしているのは、日本の片づけコンサルタント近藤麻理恵(通称こんまり)だ。彼女の片づけ本は世界的なベストセラーになり、今年からネットフリックスでリアリティ番組もスタートした。

こんまりの教えに従い、「ときめき」を感じない品々、または自分が思い描く理想の未来に居場所がない衣服や本、家庭用品を捨てる人が増えた結果、セント・ビンセント・デポール協会のような慈善団体に寄付される品の数が前年比で38%も増加したという報告がある。

近藤の「こんまりメソッド」を使うかどうかはともかく、このお片づけブームには乗るほうがいい。ガラクタの山は私たちの不安度や睡眠、集中力に悪影響を与えるからだ。

散らかった環境に身を置くと、生産性が低下し、ジャンクフードの過剰摂取やテレビ番組(お片づけ番組であっても)の見過ぎといったストレス対処行動や逃避に陥りやすくなる。

私自身の研究でも、私たちを取り巻く物理的な環境が、他者との関係を含めて、私たちの認知、感情、そしてその後の行動に大きな影響を与えていることがわかった。

ガラクタはなぜ脳に悪い?

モノであふれそうな食器棚や家のあちこちに積み上げられた紙の山は、無害に見えるかもしれない。

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