米国がINF全廃条約の破棄を表明 トランプ大統領の狙いは軍事増強続ける中国の抑止か

記事まとめ

  • ポンペオ米国務長官は2月1日に中距離核戦力(INF)全廃条約の破棄を表明した
  • トランプ政権高官を含む共和党の専門家の一部は、同条約を不公平だと批判してきた
  • 条約破棄は通常兵器の増強を続ける中国の抑止に役立つ可能性があると指摘する専門家も

中距離核(INF)全廃条約破棄、トランプの本当の狙いは中国の抑止か

<核軍拡レースを懸念する声が上がる一方で中国の中距離弾道ミサイル増強も見逃せない>

ポンペオ米国務長官は2月1日、中距離核戦力(INF)全廃条約の破棄を表明した。この決定は増大するロシアと中国の脅威への対応能力を強化する効果はあるが、他の軍備管理条約にも悪影響を及ぼす危険性があると、アナリストは言う。

ロシアの同条約違反については、専門家と欧米の政府当局者の見方はおおむね一致する。だが、条約破棄の是非については意見が割れている。NATOはトランプ政権の決定を支持したが、専門家の一部には新たな核軍拡レースにつながるのではないかと懸念する声もある。

「この種のミサイルへの制限がない世界はどうなるのか」と、軍備管理不拡散センターのアレクサンドラ・ベルは言う。「ロシアの中距離核ミサイル製造能力への制限がゼロになれば、世界は今より安全になるのか。答えはノーだ」

ベルらの軍備管理支持派は、トランプ政権が他の条約、特に新戦略兵器削減条約(新START)の破棄にまで踏み込む事態を危惧している。11年に発効された同条約は、米ロの核弾頭とその運搬手段に数量制限を課すものだが、双方が延長に合意しない限り21年初めに失効する。

トランプ政権高官を含む共和党の専門家の一部は、同条約を不公平だと批判してきた。

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