観光大国を目指せ──サウジアラビアの熱き挑戦

<隠れた名所が豊富な産油国が、脱石油とイメージアップを掲げて国を挙げた取り組みに乗り出した>

砂漠の真ん中でカメラマンが構図を決めると、被写体の女性は周囲の眺めに感嘆しながら、髪を翻して空を仰ぎ、砂を踏みしめてポーズを取った。

観光客が遺跡の前でポーズを取る――中東ではごくありふれた光景だ。しかし、サウジアラビア北部の砂漠では「革命」に近い。唯一の問題は、この革命がどんな結果をもたらすか誰にも分からないことだ。

サウジアラビアは何十年も、それどころか建国以来ほとんど観光客にほぼ門戸を閉ざしてきた。外国人を大勢受け入れていないという意味ではない。サウジアラビアの総人口の3分の1以上は石油関連企業で働くアメリカ人やフィリピン人看護師、レバノン人コンサルタント、パキスタン人建設労働者などの外国人だ。さらにイスラム教の聖地メッカには毎年、巡礼者が大挙して押し寄せる。

だが労働者や巡礼者を除けば、外国人にとってサウジアラビアは世界でも特に入国しにくい国だ。湾岸協力会議(GCC)の他の加盟国は欧米のほとんどの国を対象に入国後でも申請できるビザを発行しているが、サウジアラビアは違う。

そのため、目ぼしい観光地はほとんどないと思われがちだ。数千年の歴史を誇り、文化的・地理的多様性に富む地域が多いにもかかわらず、時代遅れの宗教性と消費主義に縛られた砂漠ばかりの退屈な国というイメージが幅を利かせている。

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