【ブレグジット超解説】最大の懸案はアイルランド国境を復活させない予防措置「バックストップ」

<交渉の最大のポイントになったアイルランド国境をめぐるこの「安全策」とは何なのか 英国人ジャーナリストが読み解くブレグジットの基本>

ブレグジット(イギリスのEU離脱)をめぐる議論は、英政界にここ数十年で最も深刻な分断を招いている。3月29日の離脱まであと約2カ月。英議会は1月15日、政府とEUが合意した離脱協定案を大差で否決した。

協定案の争点と今後について、在英イギリス人ジャーナリストのウィリアム・アンダーヒルに聞いた。

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――議会はなぜ離脱協定案を受け入れないのか。

585ページに及ぶ離脱協定案の大半に関して、議員の多くに異論はない。協定案は離脱の手続きや、イギリスにおけるEU市民の権利、イギリスとEUの将来の関係の枠組みなどについて定めている。さらに、離脱から20年末までを「移行期間」とし、その間に恒久的な貿易協定を決めるとしている。

しかし、昨年11月に協定案が公表されて以来、与野党を問わず議員からも、ブレグジットの賛成派からも反対派からも、猛烈な反発が起きている。

強硬な残留派の多くは今もブレグジットに反対で、協定によって離脱が正式なものになることが許せない。離脱派は、テリーザ・メイ首相が譲歩し過ぎて、期待していた完全な決別が実現しないと危惧する。

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