宇宙の放射線からクルーを守れ

<宇宙飛行士の体をむしばむ放射線被曝のリスクを減らすために、サプリや防護服の開発が加速している>

放射線は至る所に存在する。自然来のものから核兵器の放射性降下物、医療用のエックス線までさまざまなものがあり、癌の原因になる一方、有望な治療法の1つにもなる。

宇宙にも大量の放射線(電荷を帯びた粒子)があふれている。そのリスクは宇宙旅行者にとって深刻な脅威だ。

地球の周囲には地球の磁場に捕らえられた放射線の帯「バンアレン帯」がある。バンアレン帯は内帯と外帯の2層から成るドーナツ状で、有害な宇宙放射線が地上に届くのを遮る役目を担っている。月や火星に行くためにバンアレン帯を通過すると、そこから先は宇宙飛行士の体は放射線の脅威に対して無防備になる。

宇宙飛行士は宇宙空間で2種類の放射線と戦わなければならない。1つは太陽系外から飛来する「銀河宇宙線」。光速に近いスピードで移動する高エネルギーの粒子だ。

銀河宇宙線は大部分が陽子だが、より重いものもあり、DNAを傷つけ、変異を引き起こし、遺伝子転写を変える可能性がある。遺伝子転写とはDNAの遺伝情報をRNA(リボ核酸)にコピーして全身の細胞に伝えること。そのプロセスが変われば、不完全な指示が細胞に伝わり、そうした誤差は中・長期的には永続的な変異になりかねない。

【参考記事】宇宙でも生き延びる地球生命は存在するのか? 細菌を成層圏に打ち上げ

火星旅行が現実味を帯びるなか、公的機関も民間企業も火星旅行のあらゆる側面についてテストと再テストを繰り返している。

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