次に来るのは米中アルミ戦争

<鉄鋼に続いてアルミ業界でも安い中国製品が大量流入。米企業が苦戦を強いられ、安全保障上の懸念も出てきた>

ここ数年、米中の通商摩擦の一大要因になってきたのは鉄鋼だ。中国の過剰供給で世界的に価格が下がり、米メーカーは大打撃を受けた。米国内の鉄鋼産業の衰退は安全保障の脅威だとして、トランプ政権は輸入規制をちらつかせている。

とはいえ鉄鋼に関しては、米メーカーの現状の生産能力で防衛産業の需要を十分に満たせる。それよりも問題はアルミニウムだ。安い中国製品の大量流入で、アメリカのアルミ産業はもはや風前の灯火。この状況は安全保障にも影響を与えかねない。

01年に中国がWTO(世界貿易機関)に加盟して以降、安い中国製アルミが米市場を席巻し、23を数えた米国内のアルミ製錬工場はわずか5カ所に減った。15年以降にも8工場が閉鎖か規模縮小に追い込まれ、この1年半だけで約3500人分の雇用が失われた。

それ以上に危惧されるのは安全保障に与える影響だ。ボーイングのF18、ロッキード・マーティンのF35などの戦闘機や装甲車両には高純度アルミが使用されている。だが今やアメリカで高純度アルミを生産するのは大手センチュリー・アルミニウムのケンタッキー州ホウズビル工場だけ。おまけに、この工場も稼働率を4割に抑えている。

そこでトランプ政権は鉄鋼に続き、アルミ製品の輸入規制に向けた調査を4月末に指示。ウィルバー・ロス米商務長官は記者発表で安全保障上の懸念を強調した。

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