イスラム急進派代表にポルノ容疑でインドネシアに問われるバランス感覚

<キリスト教徒のジャカルタ前州知事アホックはイスラム教を冒涜した罪で有罪が確定し、アホックを批判していたイスラム教指導者は「ポルノ規制法違反」で国際手配中。「多様性のなかの統一」を国是に掲げるインドネシアの危ういバランシング・アクト>

インドネシアのイスラム教急進派組織の代表が警察から「ポルノ規制法違反」の容疑者に指定され、支持者からは「警察の不当捜査」と警察批判が高まる一方で、一般国民からは「イスラム教組織の指導者がよりによってポルノ違反とは不信心そのもの」と嘆く声が広がっている。

折しも、インドネシアのイスラム教徒は世界中の信者とともに重要な宗教行事である「ラマダン(断食月)」の真っ最中である。

ジャカルタ警察は5月29日、イスラム教組織「イスラム擁護戦線(FPI)」の指導者、ハビブ・リジック・シハブ代表を「ポルノ規制法違反」の容疑者とし、警察への出頭を命じた。

容疑は昨年、携帯電話のチャットアプリ「ワッツアップ」を通じて女性の知人、フィルザ・フセイン容疑者とわいせつな言葉のやり取りを交わし、その会話の画像がネットに拡散した、というものだ。

このリジック容疑者とフィルザ容疑者は共に昨年からテレビや新聞で大きく取り上げられてきた「時の人」で、インドネシアでは知らない人のいない"著名人"でもある。

「反アホック」運動の急先鋒

リジック容疑者は4月19日に決選投票が行われたジャカルタ特別州知事選で敗れたバスキ・チャハヤ・プルナマ(通称アホック)知事の「イスラム教冒涜発言」にいち早く反応して批判した人物。

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