飛行機よりはるかに危険、トラック業界の利益優先体質

<死亡事故がダントツに多いのに、今以上にトラックを大型化したがる業界はどうかしている。安全技術を導入し、運転手の時短をして事故を減らすのが先決だ>

アメリカでは高速道路での死亡事故が右肩上がりで、道路や橋の老朽化が刻一刻と進んでいる。だがトラック運送業界はまたしても、公共の利益に反するトラック総重量規制の上限引き上げを米議会に働きかけている。

議会がこれまで再三にわたりトラック業界の要求を拒んできたのにはもっともな理由がある。トラックが大型化すれば車両のバランスが悪くなるうえ、ブレーキを踏んでから停止するまでの「制動距離」も長くなる。重大な事故が発生する危険性が高まるのだ。

現に、トラック関連の死亡事故は増加の一途をたどっている。2014〜2015年までの1年間に、全トラックの走行距離は0.3%しか伸びなかったのに対し、トラック関連の死亡事故は4050件に達し、前年より8%も増えた。これまでの趨勢をあてはめれば、今年1年間でトラック絡みの衝突事故で死亡する人の数は、過去45年間に飛行機事故で死亡した人の総数を上回る。

トラック運送業界はそれでも、今年中に総重量規制の上限引き上げ法案を提出する構え。議会は既に2015年、州間高速道路を走行するトラックの総重量を1982年に定められた上限の約36トンから約41トンへと引き上げる法改正案を廃案にしているのだが。

トラックは急に止まれない

トラックが絡む死亡事故の多くは追突事故だ。

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