共謀罪法案、国会論戦で進まない対象犯罪の精査

<共謀罪法案の国会審議で277の対象犯罪に関する具体的な議論が盛り上がらない。偽証や背任など、共謀罪の対象としては意味がない、または捜査権濫用のおそれが高いものについては修正が必要なのでは>

共謀罪法案の審議については、国会での論戦が盛り上がらない中で、政治的な駆け引きの中で「現状案で可決成立へ」という流れが見え隠れしています。ですが、277という対象犯罪の中には、明らかに「共謀段階で罪にする」ことが意味を成さない部分もあるわけで、今からでも遅くないので、実務的な修正はできないものでしょうか?

具体例として2つ挙げてみたいと思います。

1つは「偽証」という項目です。偽証というのは、法廷において明らかにされるべき真実を歪める行為ですから、確かに起きないに越したことはありません。また、偽証がまかり通ることで、明らかに重大な犯罪をやって、また再犯の可能性のある人物が堂々と無罪になって社会に出てくるというのは問題です。

そう考えれば、偽証という「悪事」を防止することができれば、やった方が良いように思われるかもしれません。ですが、偽証の共謀を犯罪とするのは、やはり無理があります。

まず、偽証の共謀が起きるとすれば、証人と弁護人の相談の中で起きるケースがほとんどだと思います。証人が純粋な第三者ではなく、被疑者との利害関係があって、被疑者を「かばいたい」とか、あるいは逆に「陥れたい」という動機を持っている場合、そうでなくても証言の結果として証人自身に不利益ないし、利益が発生する場合はあると考えられます。

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