「中国人の本音」の本質は、当たり前の話だった

<北京駐在5年の記者が緻密な取材により書いた『中国人の本音』で知る、単純な言葉ではとらえきれない本質>

『中国人の本音――日本をこう見ている』(工藤 哲著、平凡社新書)の著者は、2011〜2016年の約5年間にわたり、北京の毎日新聞中国総局に勤務した経歴の持ち主。つまり本書はその経験に基づいて書かれているわけだが、帰国後には「中国の日常の情報があまり伝わっていないのではないか」と強く感じたそうだ。

「北京の人たちの暮らしぶりを伝える映像が見たい」と思ってもニュースは少なく、日本で中国の雰囲気を想像するにはかなりの労力が必要だというのである。

一方、北京にいたときには、中国人の日本に対する理解も偏っているように感じたという。近年の緊張関係の根底に互いの理解不足があるのだとしたら、それは十分に納得できる話だ。

【参考記事】福島の現状を知らない中国人に向けてVICEで記事を書いた

 今、日中間には尖閣諸島などのほか、歴史的経緯により残された問題が山積するが、近年は「国民感情の改善」が中国指導部内でも注目されている。これを進めるにはメディアや日中間を往来する人が日常の情報も発信することがますます大切になっている。(11ページ「はじめに」より)

そこで著者は北京を歩いて一般市民の声を拾い、「抗日」軍事パレードや「抗日テーマパーク」にも足を運んで自分の目と耳で現実を確認し、中国メディアの現場にも入り込んで緻密な取材をしている。

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