身体が不自由な患者の頭をドナーの身体に移植する「頭部移植」が現実に?

<多くの医者に「死んだほうがまし」ともいわれる手術が、人間に迫る>

人間の患者で世界初の「頭部移植」を計画しているチームがラットを使って切断した脊髄を修復させる実験に「成功」。神経再結合の原理を実証できたとして、この手法が「あらゆる動物に有効」なことを示そうとしている。

イタリア人神経外科医セルジオ・カナベーロが人間で初の頭部移植手術をすると宣言したのは2015年。身体が不自由な人の頭を、ドナーの身体に移植して動けるようにするという悪趣味なSFのような話だが、今年中に行う予定で準備を進めている。

カナベーロは本誌の取材に応え、「ジェミニ」と名づけた神経結合方法をラットに試したところ、ラットは動けるようになり、拒絶反応も起きなかったと語った。

【参考記事】ラットの頭部移植に成功 年末には人間で?

最新の研究結果は学術誌「CNS Neuroscience and Therapeutics」で発表される。中国ハルビン医科大学の任曉平(レン・シアオピン)率いる外科チームが15頭のラットの脊髄を切断。うち9頭にジェミニを施し、残りは対照群とした。

チームはポリエチレングリコール(PEG)を用いて切断により損傷した脊髄神経を再結合させた。まずラットの脊髄を切断し、アドレナリンを加えて冷却した生理食塩水で止血。その後、9頭はPEGで切断面を接着し、術後3日間抗生物質を与えた。

【参考記事】ペニス移植成功で救われる人々

1頭を除き、すべてのラットが術後1カ月間生存できた。

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