EU離脱交渉、弱腰イギリスの不安な将来

<英総選挙で与党・保守党が予想外の大敗を喫してしまったために、足元を見られてEUの言いなり>

イギリスの欧州連合(EU)離脱交渉は、首脳級の政治的駆け引きが要求される場になるだろう。だが、ブレグジット(EU離脱)に向けた交渉の初日は、イギリスにとって不幸なものだった。

EU離脱担当相デービッド・デービスは、まずは通商関係に関する協議を優先させ、イギリスがEUを去るにあたっての政治的、経済的条件を定めたいわゆる離脱請求書(Brexit bill)に関する議論は後回しにしたいと考えていた。

【参考記事】ブレグジットがもたらすカオス 最初の難関は600億ユーロの離脱清算金

だが実際は反対だった。EUの首席交渉官を務めるミシェル・バルニエは、イギリスが第一に進めるべきはEU離脱の手続きであり、両者の離脱後の関係についての条件整備はそのあとになるとの方針を示した。

まずはEUという巨大市場へのアクセスを確保しようというイギリス政府の思惑は外れた。あくまで離脱ありきで、イギリスにおけるEU加盟国市民の権利、そしてEU加盟国におけるイギリス国民の権利について最初に数カ月を費やさなければならなくなる。

デービスは、少なくとも交渉の初期段階では、いわゆる「ソフト・ブレグジット」(移民受け入れである程度EUの言うことを聞く代わり、EU市場へのアクセスを維持する穏健な離脱)路線を取るつもりはないことを辛うじて明言した。

1 2 3 次へ

関連記事(外部サイト)