この夏も『パイレーツ・オブ・カリビアン』が大暴れ

<スパロウ船長の冒険を描く人気シリーズの第5弾は、演技も映像もストーリーも合格点で最後まで楽しめる>

『ワイルド・スピード』はこの春にシリーズ8作目が登場し、リドリー・スコット監督は9月公開の『エイリアン:コヴェナント』でまたエイリアンを生き返らせる。ますますシリーズ作品全盛のハリウッドは、引き際を知らないらしい。

同じようなネタを使い回せば、たいてい行き着く先は2つに1つ。新しい監督を投入して新鮮味を加えつつうまく観客の期待に応えていくか、マンネリ化して失速するかだ。

ヨアヒム・ローニングとエスペン・サンドベリが共同監督したシリーズ最新作『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』は、どちらかといえば前者。冒険譚に軽やかなユーモアを織り交ぜ、アクションをたっぷり詰め込んだ。

とはいえ、傑作だった第1作『呪われた海賊たち』のような魅力には欠ける。カリスマあふれるキャラクターとダークな味わいは消え、何より残念なことに型破りなストーリーも切り捨てられてしまった。

5作目となる今回も、物語は海賊ジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)と宿敵の対決を中心に展開する。ただし敵を演じるのは、ジェフリー・ラッシュでもビル・ナイでもなくハビエル・バルデム。だからスパロウもうかうかしてはいられない。

バルデム扮するサラザールはかつてスペイン海軍の軍人で、「汚らわしい海賊ども」を血祭りにあげることに人生をささげていた。

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