傷ついた人々が95万人──ウガンダの難民キャンプにて

<「国境なき医師団」(MSF)を取材する いとうせいこうさんは、ハイチ、ギリシャ、マニラで現場の声を聞き、今度はウガンダを訪れた>

これまでの記事:「いとうせいこう、『国境なき医師団』を見に行く 」

インベピの難民登録所

人、人、人だ

インベピ居住区の外来診療施設からまた土ぼこりのデコボコ道を行き、俺たちは難民の受付をしているという場所へ移動した。

あたりは南スーダンから逃れてきた人々であふれ返っており、点々と例のUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)が配布した銀色の遮光シートで作られたテントがあった。そこに男も女も子供も歩き回っていた。全員が難民の方々だった。

ひとつの大きなテントが左手にあり、その前に何本もの木の枝が立っていて、それぞれが赤いビニール紐でつながれている。よく見れば、それが人を並ばせるための仕組みになっているのだった。ただし俺たちが訪れたのが夕方前だったので、すでに当日の作業は終わっていた。

そのテントでは『国境なき医師団(MSF)』が他団体と共に、まず5才未満の子供たちにワクチンを打つのだそうだ。中に入って見学させてもらい、入り口近くに置かれた小さなテーブルの近くへ行ってMSFの現地看護師に質問すると、こころよく記録帳を開いてくれた。その日1日でポリオのワクチンが273人に、はしかが534人、加えて、怪我をしていた15 歳から45歳の人18人に破傷風ワクチンが接種されたという。

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