ビットコイン技術が難民救う!? 11億人「デジタルID」化構想

難民と仮想通貨─。一見全く関係が無さそうな二つを結び付け、世界的な問題を解決しようとする取り組みが進んでいる。パスポートなど公的機関が発行した身分証明書(ID)を一切持っていない難民らに、仮想通貨取引で利用されている最先端技術を使い、固有の「デジタルID」を割り当てようという試みだ。専門家からはテロ対策にも役立つとの声が上がっている。

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身分証明なく生活困難

戦争や災害、政変などによって着の身着のままで母国から逃げてきた難民の多くは、新たな土地にたどり着いても自分がどこの誰かを証明する手だてがない。難民でなくとも、貧困などさまざまな理由で公的に認められたIDを保有していない人の数は、世界で11億人を超えるとされる。これらの人々は教育や医療を受けたり、投票に行ったりすることが困難な上、銀行口座の開設や携帯電話サービスの契約など現代社会で暮らすための生活基盤を築くこともままならない。何にも増して、自分がまるでこの世に存在しないかのように扱われ、人間としての尊厳を脅かされている。

こうした深刻な問題に着目した有志によって立ち上げられたのが、「ID2020」と呼ばれる官民合同のプロジェクトだ。難民問題に取り組むNGOや政府機関、民間企業に加え、国連も2015年に定めた「持続可能な開発目標」(SDGs)の一環として活動を支援している。

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