ロシアが北朝鮮の核を恐れない理由

<体制保障さえすれば金一族は合理的な考え方ができる人々だとロシアは考えている。安全が保障されれば、あとは北朝鮮とアメリカの間に冷戦時のような核抑止が働く>

アメリカの北朝鮮政策にとって、7月4日の米独立記念日はひどい1日だった。北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験に成功しただけではない。同じ日にロシアのウラジーミル・プーチン大統領と中国の習近平国家主席がモスクワで会談。共同声明で、朝鮮半島の緊張の沈静化に支持を表明し、北朝鮮の核・ミサイル開発凍結を求めると同時にアメリカと韓国にも合同軍事演習を中止するよう求めたのだ。

アメリカは別のアプローチにこだわり続けている。ここ数カ月は中国が北朝鮮を説得して核・ミサイル開発をやめさせるよう、対中圧力を強めてきた。先週ドナルド・トランプ米政権が、中国には単独で北朝鮮の核問題を解決する能力もしくはやる気がないと見限ると、北朝鮮企業と取引をする中国の企業や個人に対して金融制裁を科した。

【参考記事】北朝鮮のICBM、アメリカの対北抑止施策揺るがす=川上・拓大教授

一方トランプ政権は北朝鮮問題の解決に向けて、ロシアの協力も引き出そうとした。5月に北朝鮮がロシア極東のウラジオストク港沖の海域にミサイルを着弾させた時は、こんな声明を発表した。「ミサイルはロシア領土の至近距離まで到達した。実際、日本よりロシアに近かった。ロシアが喜んでいるはずがない」

ミサイル着弾しても定期航路開設

ロシアは朝鮮半島が非核化すれば望ましいと思っているが、実際は北朝鮮のミサイルをそれほど懸念していない。

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