家族でなかった者たちが作る家族──ウガンダの難民キャンプにて

<「国境なき医師団」(MSF)を取材する いとうせいこうさんは、ハイチ、ギリシャ、マニラで現場の声を聞き、今度はウガンダを訪れた>

これまでの記事:「いとうせいこう、『国境なき医師団』を見に行く 」

ビディビディのゾーン2から

翌日早朝、平原の向こうから赤い朝日が上がりつつあるのを見ながらフロントあたりへ行ったが、まだそこには固く錠が閉まっていて入れなかった。

そのうち近くから明るい音楽が聴こえ出したので目をこらすと、大樹に隠れて一階建ての教会らしきものがあり、そこでゴスペルめいた曲が歌われているのがわかった。ドライバーのボサはイスラム教徒だし、様々な宗教が入り交じっているのだなと実感していると、そのボサ・スワイブと『国境なき医師団(MSF)』広報の谷口さんもやって来て、タイミングよく食堂が開いた。

焼いていないパンと、合成樹脂製のポットにお湯、インスタントコーヒーの粉が入った瓶、そして妙に平たいオムレツが自動的に運ばれてくる。

ボサに聞けば、ウガンダでは姓と名前の順が日本と同じで、名前だと思っていたスワイブが苗字なのだった。4人の子供がいて、3女1男。レストランで支配人をしている奥さんより早く仕事に出て、早く帰って料理を担当しているのだという。長くMSFで活動しているが、報酬や待遇のことで文句を言う人もいるとボサは言い、しかしMSFへの愛があればすべてはうまく行くのだと強調した。

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