安全な治療室の中、VRで恐怖と向き合う最新の不安障害治療

<不安や恐怖を抱いている対象物にあえて触れさせる心理療法(暴露療法)。米国でバーチャル・リアリティを使った最新の暴露療法が、一般的になる兆しがある>

不安障害などに効果が高い暴露療法

心理療法に「暴露療法」というものがある。認知行動療法の1つで、患者が不安や恐怖を抱いている対象物にあえて触れさせるというもの。例えば、高所が怖い人をあえて高いところに連れて行く、という具合だ。実際にその場所へ行くなどして物理的に体験してもらうことを「現実暴露」、頭の中でイメージして行うものを「イメージ暴露」と言う。

不安や恐怖を抱いている人にしたら、わざわざ意図的にその感情を感じなければいけないため「荒療治」と思えてしまうかもしれない。しかし高い効果が認められており、精神医学の専門誌サイキアトリック・タイムズが2011年に発表した調査によると、不安障害には特に効果的だとの結果が出ている。

また恐怖症の治療では、現実暴露による暴露療法を1度だけ受けた患者を4年後に追跡調査したところ、恐怖症の症状が大幅に減った状態を保っていた人の割合は90%、症状が全く出ていなかった人の割合は65%に上ったという。

ただこの記事では、米国では暴露療法への理解が少ない、暴露療法が行えるセラピストが少ない、などという問題点が指摘されていた。しかしそれが過去のことになるかもしれない。米国でバーチャル・リアリティ(VR)の技術を使った最新の暴露療法が、今よりずっと一般的になるかもしれない兆しがあるのだ。

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