大巡礼ハッジで贅沢三昧? 聖地メッカのリゾート化に批判の声

<すべてのイスラム教徒が平等になる大モスクの周辺は最高級ホテルやモールなど不動産開発ブーム。裏には、巡礼や観光で原油に代わる収入を得たいサウジの思惑が>

イスラム教で年に1度の大巡礼ハッジが8月30日に始まった。9月4日までの期間中、200万人近い信者が世界各地から聖地メッカのあるサウジアラビアを訪れる。メッカの大モスク巡礼中は、すべてのイスラム教徒が平等になる。男女が同じ場所で祈れる世界でも数少ないモスクの1つだ。

だが聖地を一歩出ればそこは、王族から一文無しまで不平等な世界。なかでも近年目立つのは、大モスクから目と鼻の先の最高級ホテル開発と、そのための史跡破壊だ。

サウジアラビアは、年に1度の巡礼で贅沢三昧できる富裕層向けのオプションを多数用意している。英BBCによれば、巡礼者向けパッケージツアーを専門に扱う旅行会社は毎年ハッジで莫大な利益を出し、サウジアラビア政府も年100億ドル程度(2015年)の収入を得る。原油価格の下落で産油国としての将来に不安が広がるなか、同政府は収入源を多様化する方法として、観光や巡礼の将来性に大きな期待を寄せているのだ。

あるハッジ専門会社が扱ういちばん高いパッケージツアーは2週間で1人1万1500ドル。ニューヨークからサウジアラビア西部の都市ジッダまでの往復航空券、メッカにある5つ星ホテル「モーベンピック・ホテル」6泊、もう一つの聖地メディナにある4つ星ホテル「ダラー・タイバー・ホテル」4泊、メッカ近くの町ミナやアラファト山での巡礼キャンプ、冷暖房付きバス、荷物の持ち運びサービスなどが含まれている。

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