ドイツ極右政党躍進の意外すぎる立役者

<欧州各国の国粋主義の拡大に続き、排外主義を掲げるAfDが初の国政進出。その「顔」は異色の経歴を持つ38歳の女性だ>

9月24日のドイツ連邦議会選挙で、国政に外国人嫌いの民族主義政党が戻ってきた。ドイツのための選択肢(AfD)だ。いわゆる極右政党だが、その躍進を支えた功労者は38歳の女性。元投資銀行勤務で同性愛者のアリス・ワイデルだ。

AfDは今回の選挙で約13%の票を獲得し、94議席を確保した。戦後の混乱期を除けば、露骨に排外的な国粋主義を掲げる政党がドイツ連邦議会に進出したのは初めてのことだ。もしもアンゲラ・メルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)と第2党の社会民主党(SPD)が再び大連立を組めば、AfDは栄えある野党第1党の座を手に入れる。

AfDを含め、ヨーロッパの極右勢力はたいてい移民の流入と欧州連合(EU)の介入を嫌い、権威主義的で露骨な民族主義を掲げている。こうした勢力は各地で支持を増やしており、ヨーロッパの戦後秩序に真の脅威をもたらしている。その脅威が、ついにドイツの国政にも及んだわけだ。

もちろん、AfDが今回の選挙で大勝利を収めた責任の一端はメルケルにある。選挙戦で彼女と与党陣営が移民問題を封印したおかげで、AfDは誰にも邪魔されず、好き勝手な主張を繰り広げることができた。

では、AfDを国政進出に導いたアリス・ワイデルとは何者なのか。これまでは無名の存在だったが、彼女は今回、アレクサンダー・ガウラントと共に筆頭候補に名を連ね、選挙活動の先頭に立った。

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