北朝鮮危機、ニクソン訪中に匹敵する米中合意の可能性

<ティラーソン国務長官、マティス国防長官らトランプ政権の賢人閣僚は対話路線。あとはトランプに、外交的偉業は戦争よりカッコいいことをわからせればいい>

近代外交史のなかで、それは最も大胆で危険な行動の1つだった。

リチャード・ニクソン米元大統領は冷戦下の1972年、極度に貧しく世界から孤立した中国の首都北京を訪問し、共産革命の父とされる中国の毛沢東主席と歴史的な会談を行った。アメリカは当時、国民党が率いる台湾を、中国の唯一の合法的政府として認めていた。ニクソンが訪中した目的は、時代の潮流を変えるためだった。当時ニクソンの国家安全保障問題担当補佐官を務めたヘンリー・キッシンジャーは後年こう言った。「ニクソン訪中は、米中和解の可能性を見極めるためのものだった」

10月初めにホワイトハウスでドナルド・トランプ米大統領と会談したのが、94歳で弱りきっているとはいえ、やはりキッシンジャーだったことは、多くを物語る。トランプ政権は、11月初旬にトランプが東アジア歴訪に出かける前に、対中政策を見直そうと必死だ。キッシンジャーとトランプの会談はまさにこのタイミングで行われた。中国も日本も韓国も、北朝鮮の核・ミサイル開発の加速を非常に憂慮しているからだ。

北朝鮮が「炎と怒りに直面する」と発言したり、「嵐の前の静けさだ」と開戦前夜のようなことを言ってのけるトランプの好戦的なレトリックは、アメリカの同盟国だけでなく中国をも不安にさせた。

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