高齢者の格差拡大で、求められる再分配制度の見直し

<これまでの再分配政策は、若年層が高齢者を助ける制度だが、これからは年齢に関係なく富裕層が困窮層を助ける制度に見直す必要がある>

自由主義・資本主義の社会では、人々が所有している富の量には大きな差がある。富める者もいれば、貧しい者もいる。

これは当然のことだが、その度合いが過ぎると社会が不安定化してしまう。このため前者から後者への所得移転(再分配)が行われる。富をたっぷり持っていて生活に困っていない人が、生活に困っている人を助ける。

しかし日本では、生活の困窮度に関係なく、下の世代が上の世代を助ける(支える)という構図が定着している。資産があり高級ゴルフクラブに足繁く通う高齢者が社会保障給付の対象になり、反対に非正規雇用でカツカツの若者であっても彼らを支える側に回らないといけない。

助ける側になるか、助けられる側になるかは、年齢によって機械的に決まる。年齢の役割規範が強い日本ならではのシステムだが、これをおかしいと思っている人は多いだろう。

高齢世帯というと乏しい年金でギリギリの生活をしているイメージが強いが、そういう世帯ばかりではない。世帯主が60歳以上の世帯の貯蓄額分布をグラフにすると、<図1>のようになる。



最も多いのは貯蓄ゼロの世帯だが、次に多いのは貯蓄3000万以上の世帯だ。「貯め」がある世帯とない世帯に、はっきり分化している。前者は、振り込め詐欺の電話1本で何百万円もポンと出せる世帯だ。

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