ASEANはなぜ議長声明からロヒンギャ問題を外したのか

<ASEAN首脳会議は、ミャンマーが自国の少数民族ロヒンギャに対して行っている「21世紀最悪の虐殺」を声明に盛り込まず、素通りした。ASEANがロヒンギャ危機の存在さえ認められなかった理由>

11月13日、14日にフィリピンのマニラで開催された東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議は、北朝鮮の核・ミサイル問題、南シナ海の領有権問題、経済などの議論に時間が費やされ、域内最大の人権侵害事案として国際社会が注目していたミャンマーのロヒンギャ問題については一部加盟国からの言及はあったものの、議長声明には「ロヒンギャ」という言葉もロヒンギャに対する人権侵害の実態も盛りこまれないことになった。

これはASEANが発足当初から貫いている「内政不干渉」と「全会一致」という原則に基づくもの。とはいえ、国際社会が注目する問題についてミャンマー政府に圧力をかける、あるいは重大な人権侵害に対する懸念や関心を示すことですら意見集約できなかったことに、ロヒンギャ支援組織や国際的な人権団体、ASEAN内部からも「失望」が広がっている。

ロヒンギャ問題は8月25日にミャンマーのラカイン州などに居住するイスラム教徒ロヒンギャ族の武装組織が警察署を襲撃した事件を契機にミャンマー国軍がロヒンギャ族の掃討作戦を開始、軍兵士による殺害、暴行、放火などの人権侵害が深刻化した。その結果として約60万人のロヒンギャの人々が国境を越えて隣国バングラデシュに避難、難民化している。

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