りんごをアクリルに閉じ込めた三木健とは何者か

<日本のグラフィックデザイナーが始めた「デザインとは何か」を伝える独自の教育メソッドが国内外で注目を浴びている。このたび上海で開催された展示会も盛況。りんごを再認識し、デザインの基礎を学ぶとは、一体どういうことなのか>

今この時期、店頭を赤く彩る旬の果物、りんご。世界中の誰もが知るこの果物を使って、デザインの楽しさ、奥深さを学ぶ授業を展開するのがグラフィックデザイナーの三木健さんだ。中国の上海で、りんごをアクリルに閉じ込めて展示してみせたのも三木さんである。

企業のシンボルマークや広告ビジュアル、ブランディングなどを幅広く手がける三木さん。赤い鼻の黒い犬をキービジュアルに据えた日本IBMのノートパソコン「ThinkPad I Series」のプロモーションは、多くの人の記憶に残っているのではないだろうか。ノートパソコンそのものを使わずに、真っ黒な筐体の赤い操作デバイス「トラックポイント」を印象付けた名作広告だ。

三木さんのデザインはこのように、デザインをただ視覚化するのではなく、何かが"見えてくる化"をすることで自発的な気づきを促す。そんな三木さんが、大阪芸術大学でデザインを学ぶ学生に向けて「デザインとは何か」を伝えるために始めた授業が「APPLE」だ。

誰もが知るりんごだが、改めてその絵を描くと、ただ赤く丸い形を描いてしまう。ここで私たちは、子供の頃から何度となく味わってきたりんごの記憶が、実は漠然としていることに気がつく。

1 2 3 4 5 次へ

関連記事(外部サイト)