エルサレム首都宣言で露呈した、インティファーダができない現実

<トランプ米大統領のエルサレム首都認定にパレスチナ人(アラブ人)の怒りは渦巻いているが、おそらく大規模な民衆蜂起は起こらない。着々と進行している東エルサレム「ユダヤ化」の知られざる現実とは?>

「トランプ第一主義」の宣言

今年はヨルダン川西岸、ガザ地区、東エルサレムがイスラエルに占領されてから50年目に当たる。しかし一部を除いてほとんど国内メディアに取り上げられることはなかった。そのパレスチナが、12月6日、ドナルド・トランプ米大統領の「エルサレムをイスラエルの首都と認定し、アメリカ大使館のエルサレム移転を指示する」という宣言で、突如トップニュースに浮上した。

その宣言は、エルサレムの一部、東エルサレムを首都とするパレスチナ国家の樹立をめざすパレスチナ側にとって、その実現の死活問題であるだけではない。世界のイスラム教徒にとっても、イスラム教の3大聖地の1つ、アルアクサ・モスクのある東エルサレムを、中東情勢に決定的な影響力をもつアメリカ大統領に「イスラエルの首都」と公に宣言され、大使館の移転によって既成事実化されることは決して見逃すことのできない重大事である。 

歴代の米大統領が中東和平の障害になるとして実行しなかった大使館の移転に、なぜトランプ大統領は敢えて今、踏み切ろうとするのか。

すでに多くのメディアでは、「来年の中間選挙を前に、国内での人気低落の巻き返しを狙って」「ロシア疑惑が自身と周辺に迫ってきたため、それを逸らそうとしている」「『選挙公約がほとんど果たせていない』という批判をかわすため」といった国内事情が挙げられている。

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