「いじわる金正恩」のクリスマス禁止令

<昨年からクリスマスを祝う行事を禁止した金正恩。建国の父・金日成を神格化して国民に国家への忠誠を誓わせるためにはキリスト教は都合が悪い>

アメリカの絵本『いじわるグリンチのクリスマス』に登場する全身が緑色の生き物グリンチは、人間とクリスマスが大嫌い――。ところが現実の世界にも、何とかしてクリスマスをつぶそうとする国家指導者がいる。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長だ。

昨年、金正恩はクリスマスを祝う行事を公式に禁止し、その代わりに国を挙げて1919年12月24日に生まれた祖母の金正淑(キム・ジョンスク)の誕生日を祝賀する記念行事を行った。さらに韓国の情報機関、国家情報院によると、今年は集まって酒を飲んだり、歌を歌ったりする行為を禁止することで、クリスマス関連の行事も開催できないようにした。

金正恩のクリスマスつぶしは、北朝鮮の長年にわたる宗教、特にキリスト教信者に対する迫害の一環だ。北朝鮮の憲法では信教の自由が認められているものの、実際には宗教活動への参加に対してしばしば投獄などの処罰が下されている。

金日成が唯一の神

各国の宗教活動に関する米国務省の報告書では昨年、北朝鮮について「政府によって思想、良心、信教の自由の権利が否定され、多くの状況下で政府による人権侵害が人道に対する罪の域に達している」と、指摘している。

さらに「北朝鮮国外の宗教団体や人権団体からの多数の報告によれば、多くの地下教会のメンバーが信仰によって逮捕、暴行、拷問、殺害されている」と、報告書は述べている。

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