習近平の深謀が日中和解のサインに潜む

<対日関係改善の意思をにじませる中国――狙いはアメリカの「対中封じ込め」封じ?>

日本が尖閣諸島(中国名・釣魚島)を国有化したのを受けて日中関係が冷却化してから5年余り。中国はやっと関係改善に意欲を示しているように見える。

実際、中国のサインは曖昧なものだった。17年12月13日、習近平(シー・チンピン)国家主席は「南京大虐殺犠牲者国家追悼日」の追悼式典に出席。5年前から「中国の夢」という国家主義的なスローガンを掲げている習だが、今回の式典では演説しなかった(14年に国家追悼日を制定し、初の式典に出席した際は演説している)。

日中関係を定義してきた事件から80年という節目だけに、異例ともいえる習の対応は、ようやく日本に歩み寄る用意ができたのかと臆測を呼んでいる。

問題は、習が安倍晋三首相との関係改善を望む動機だ。安倍は中国の国営メディアから反中政治家とたたかれてきた。中国がここへきて対日政策を転換するのには、差し迫った理由が少なくとも3つある。

最も基本的なレベルでは、中国の対日強硬策が逆効果になっていること。中国は13年に、尖閣諸島上空を含むADIZ(防空識別圏)を設定するなど強硬策に打って出た。尖閣諸島周辺海域に艦船を送り、日本の領空に国家海洋局の航空機を飛ばしたこともある。日本との高官レベルの接触も中断している。

中国にとってはあいにくだが、こうした戦術は期待どおりの効果を上げてはいない。

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