全人代「一見」対米配慮の外商投資法

今年の全人代における政府活動報告は、一見、対米配慮に溢れているように見える。その最たるものが技術移転強要などを禁止する外商投資法だ。今回はまず、同法制定にまつわる中国の国内外事情を追う。

外商投資法が生まれた背景

トランプ大統領は中国がアメリカ企業の知的財産権を侵害し、コア技術を盗んでいると中国を非難してきた。その中の一つが、外資企業が中国で活動しようとするときに、中国が外資企業に対して「技術移転を強制している」という非難であった。

これまで中国には「中外合資経営企業法」「外資企業法」「中外合作経営企業法」というものがあり、この3つを「外資三法」と称していた。

中国は、この外資三法の中で「技術移転を強制する」と明記した法律はないとして、「技術移転を強制している」というアメリカの対中批判を否定してきた。しかし実際上は「話し合いの下に」、結局は技術移転を強制しているのと同じ結果を招いてきたことは否めない。

2018年10月現在で、中国における外資系企業の数は約95万社に上り、外資導入額は約232兆円に達している。これらの企業からの不満を解決しないと、中国経済が傾く。 

3月5日の全人代(全国人民代表大会)開幕式で李克強首相は政府活動報告を行ない、新しく中国に入ってきた外資企業の増加率は、前年度比で70%増であったと述べた。

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