ベネズエラの危機解決は南アフリカとチリに学べ

<マドゥロ政権交代には軍部の説得が不可欠――野党が手本にすべき先例は外国にある>

政治の混乱が続き先が見えないベネズエラ。国会議長のフアン・グアイドは自分こそ正当な大統領だと宣言し、マドゥロ政権打倒に立ち上がれと軍部に呼び掛けている。しかし現政権下で甘い汁を吸ってきた軍部は、今のところマドゥロ大統領と一蓮托生を決め込んでいる様子だ。

今、両陣営が繰り出しているのは危険な瀬戸際政策だ。野党陣営が勝っても、壊滅状態にある経済と引き裂かれた社会を引き継ぐことになる。マドゥロが延命すれば一段と独裁化し、民主化の可能性は遠のく。

ベネズエラ危機の最も効果的な解決策は両陣営の交渉によって平和的に政権交代を行うことだが、その道は閉ざされつつある。だが世界に目を向ければ、民主的に政権交代が行われた例はいくらもある。

そこでまず大事なのは、野党陣営が結束を固めつつ、暴力に訴えかねない過激な勢力を排除することだ。急進派が与党ベネズエラ統一社会党(PSUV)議員の訴追を求めたりすれば、話はまとまらない。マドゥロ政権下で飢えや迫害、困窮する生活にあえぐ多くの国民が、チャベス主義の打倒と、このイデオロギーの有力な信奉者の訴追を望むのはもっともだ。だが現政権派の議員たちは、マドゥロが追放されても自分の身は安泰だという確信を持てない限り、交渉に応じないだろう。

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