「巨大インフラ」アマゾンの規制は現実的なのか

<NY第2本社騒動を機に強まる独占批判――専門家からさまざまな手法が提案されているが>

米国で今、アマゾン・ドットコムへの逆風が強まっている。

米大統領選へのロシア介入疑惑など、フェイスブックの相次ぐ不祥事で、テック業界をめぐる世論は一変した。それに追い打ちをかけたのが、昨年11月のアマゾン第2本社建設予定地決定だ。同社は238の公募都市から、バージニア州北部とニューヨーク市を選定。特にニューヨークでは、30億ドルの助成金や税優遇措置が地元民や政治家の怒りを買い、デモや集会が相次いだ。

こうした抵抗を受け、アマゾンは2月14日、ニューヨークでの本社建設を断念した。ワシントンのシンクタンク「オープン・マーケッツ・インスティテュート」のバリー・リンいわく、税優遇措置を受けるというアマゾンの「戦略ミス」が、同社の略奪的独占を世間に知らしめた。

時価総額で世界屈指の企業に上り詰めながら、アマゾンは昨年、連邦法人税を払っていない。税制・経済政策研究所(ITEP)の報告書によると、18年の純利益は112億ドルと前年の約2倍だったが、今年も税金はゼロの上、連邦政府から1億2900万ドルの還付金が出るという。また、発送作業の過酷さや低賃金など、従業員の扱いも問題視されてきた(批判を受け、昨年11月に最低賃金を引き上げた)。

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